はじめの一歩、第三部:裏切りの幻視

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レベル帯1用のパスファインダー協会シナリオ

パスファインダー協会紹介シナリオ


Author・Larry Wilhelm

Contributing Artists・Eric Belisle, McLean Kendree, and Kieran Yanner

Cartographers・Rob Lazzaretti and Corey Macourek

Creative Director・James Jacobs

Senior Art Director・Sarah Robinson

Managing Editor・F. Wesley Schneider

Development Lead・Mark Moreland

Editing・Judy Bauer

Editorial Assistance・Jason Bulmahn, Christopher Carey, Rob McCreary, Stephen Radney-MacFarland, Patrick Renie, Sean K Reynolds, and James L. Sutter

Graphic Designer・Andrew Vallas

Production Specialist・Crystal Frasier

Publisher・Erik Mona

Paizo CEO・Lisa Stevens

Vice President of Operations・Jeffrey Alvarez

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Finance Manager・Christopher Self

Staff Accountant・Kunji Sedo

Technical Director・Vic Wertz

Pathfinder Society Campaign Manager・Hyrum Savage


Special Thanks・The Paizo Customer Service, Warehouse, and Website Teams


この製品はPathfinder Roleplaying Game Core RulebookPathfinder Roleplaying Game Bestiary、そしてPathfinder Roleplaying Game Advanced Player’s Guideを使用する。これらのルールはpaizo.com/pathfinderRPG/prdにあるPathfinder Roleplaying Game Reference Documentの一部として有線上で見つけられる。


Pathfinder Society Introductory Scenario: First Steps, Part III: A Vision of Betrayalは1レベルのキャラクターたち用に設計されたパスファインダー協会シナリオである(レベル帯1)。このシナリオはパスファインダー協会加盟プレイ・キャンペーンでのプレイ用に設計されているが、どの世界にでも使えるよう容易に調整できる。このシナリオはOpen Game License(OGL)に準じておりパスファインダー・ロールプレイング・ゲームでの仕様に適している。


OGLはこの製品の18ページで見つけれる。

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はじめの一歩、第三部:裏切りの幻視

Larry Wilhelmによる

ゴラリオンのどこ?

はじめの一歩、第三部:裏切りの幻視はアブサロムを構成する2つの島、コルトス島とエラン小島で発生する。この冒険はアブサロムの巨大都市内で開始し、すぐにコルトス島の野生の内地を横断する小道へと拡張される。PCたちの旅はエスカダーの臨海都市で終了し、そこで彼らはそこの大使館を維持する神秘的なギルマンと会話する。アブサロムかコルトス島、エスカダーのギルマンについてはパスファインダーのキャンペーン・セッティング本The Inner Sea World GuideGuide to Absalomで更に知れ、どちらも君の地元の本屋、玩具屋、あるいは有線のpaizo.comで利用可能だ。

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人間の文明の境地である古代アズラントは歴史の中に散逸し埋もれてしまったが、その神秘的な過去と謎のアーティファクトは現代の学者を、忘れ去られた魔法の残骸を求めてゴラリオン中を浚わねばという気にさせる。アースフォールの最中に大規模な破壊に見舞われた希少なアズラントの遺跡は今日では漁られているか、入念に守られているか、大海の深くに完全に失われている。内海地域にあるアズラントの壊れなかった数少ない遺跡の1つは都市エスカダーを擁するエラン小島にある。こうした遺跡を唯一無二のものにしているのは、驚くほどアズラント人の容貌を持ち、エスカダーの民衆の中で暮らす奇妙ではあるが美形な人々、低アズラント人だ。しかしながら、これらの容姿端麗な男女は古代アズラント人が持っていなかったものを持っている――鰓だ。長く噂されている話によれば古代アズラントの子孫である彼らギルマンは恐らくは祖先たちのものである土地の近くの水場で活計を立て、昔日の栄光を讃えている。

エスカダーのギルマンは内海の水底から沈んでいたアーティファクトを回収する心地の良さを維持しており、時折パスファインダー協会も含む地上暮らし相手に交易したり売ったりする。しかしながらこの実践は秘密ではなく、邪悪なアスピス財団――パスファインダーに似た組織だが、知識、秘密、そして伝承の獲得よりも欲;富;そして権力への渇望を動機としている――はギルマンからの貿易の申し出を迷彩にパスファインダーを騙して自ら貴重なアズラントのアーティファクトを手放させようとしている。

ひと月前、あるギルマンの大使が十人委員会に貿易を申し出た。彼が説明するにはエラン小島の海岸付近の水中を漁っていると協会が欲しがるであろう貴重な遺物を発掘できたそうだが、この低アズラント人の大使は協会本部の蔵から一部交換として欲している。実のところ、この大使は単なるアスピス財団のギルマンの遂行者であり、交換すべき遺物などない。既に研究したアイテムの喪失よりも新しい発見という協会の目的の方が遥かに価値が有るため、冒険団長は十人の代わりに交渉を行いすぐに同意した。

この悪事の首謀者を務めるアスピスの遂行者は低アズラント人の名前をウリオネスティアと言い、協会の遺物をアブサロムにあるパスファインダー協会の資産から引き離そうと考え、アスピス財団の望みはギルマンの同じ遺物を得ることだという噂を流し始めた。彼女は非武装の船を雇ってアブサロムの港を睨む軍船に偽装し、エスカダーに送られるパスファインダーの船を脅かし、協会の耳にアスピス財団はすぐにでも件のアーティファクトを独自に入札するという噂を入れるようにした。

パスファインダー協会は餌に釣られ、パスファインダーがアブサロムからエスカダーへと航海するとアスピス財団は睨んでいるのだと信じ、島の中を渡る秘密の密輸経路を使ってアブサロムの奥地へと遺物の故買屋を連れて行く、遂行者の集団を雇った;漁港町の埠頭岬から自分たちを乗せる舟を雇ってエスカダーへと渡るのだ。しかしながら十人委員会は気付いていないこととして、アスピスの計画には既に取引を交わしたギルマン本人も含まれており、罠がエスカダーで発動すれば、十人が選んだ遂行者たちは自らの組織が狡猾に仕掛けられた詐欺の犠牲者にならないようにしなければならなくなるだろう。

要約

冒険はアブサロムにある協会本部から開始し、そこで冒険団長ドランドル・ドレンがPCたちにネスター・リースという名前の遺物故買者を、コルトス小島へと渡ってエスカダーにあるグリンディロー盃亭に連れて行くよう頼む。エスカダーに着くと、PCたちは協会の遺物とギルマンが持つより価値のある遺物を交換させるため、リースがギルマンとパスファインダー協会の間での取引交渉を成功させるようにもしなければならない、

エスカダーに至るにはPCたちはおおよそ7日間の旅をしてコルトス小島の過酷な内地を渡らなければならない。道中、PCは暗い森、凍える山道、悪臭を放つ湿地帯を踏破してから文明圏に辿り着き、そこでエスカダーへと自分たちを渡してくれる小舟を雇える。

旅の頭でPCたちは暗い森に入り、そこで小さなケンタウロスの小規模な一団が最近かつては閑静だった森をうろつく捕食者について警告する。PCたちが森を渡って2日経つと、うろつくクレンシャーが最終的に彼らを攻撃する。

PCの旅の第二行程では、彼らの道は険しく起伏の激しいコルトス山へと登り始める。山の通過の旅には更に2日かかり、PCは鉱山の悴む寒冷な気候を生き延びねばならない。

歩みを進めていくと、PCたちは山岳の崖に鎮座する神殿を垣間見る;この巡礼地への参拝を望む者はコルトス島の歴史に密接に纏わる、死して久しい英雄に対して畏敬の念を持っても良い。

山から出て更に低地に下ってさえ、冒険者達の状況は向上しない、悪臭を放つ沼沢に足を踏み入れるからだ。吸血蛭、病気の充満する靄、そして狂ったコボルド・ドルイドとの遭遇が、埠頭岬の漁村に到着する前に英雄たちの荒野の旅の行程の最後を彩る。

埠頭岬に到着すると、PCたちは地元民と交渉し、エスカダーに直行してくれるような船長を雇わなければならない。

エスカダーに着くと、PCたちはあとはもうギルマンたちが会合に同意した場所、水辺にある旅籠屋グリンディロー盃亭での待ち合わせの準備をするだけでよい。そこはアスピス財団のギルマンの計画が実る場所であり、そこで彼らはまず騙して偽りの遺物を協会と交換し、そして策謀がばれないようであれば協会側の遺物だけ盗むつもりだ。

連作はじめの一歩

はじめの一歩三部作は新しいプレイヤーと、経験を積んだプレイヤーの新しいキャラクターに対し、パスファインダー協会、アブサロムの都市、そして10の派閥からパスファインダー協会加盟プレイ・キャンペーンに参加している者全員に至るまでを紹介することを意図している。連作の冒険それぞれは自己完結型の物語だが、この連作は経験も威信もないできたてのPCが正しい順序でプレイすることを意図している。このシナリオの最後、PCたちが10ある派閥の頭目たち全員と会い、知己を得た後、自分のPCの派閥を選んでも良い;PCは3つのシナリオで威信を得たPCは、自分の派閥にそれが適用される。

この連作はレベル毎に3XPという通常の成長速度でのみプレイでき、つまりこの連作を完了したPCは2レベルに上がり、通常のパスファインダー協会プレイにおいてより高難度の冒険の準備ができたことになる。

開始

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スカイリーチにあるパスファインダー協会の本部の中心で、灰色の髭をボウボウに生やし炯々と光る目を持つ屈強な老人の冒険団長ドランドル・ドレンが、この会合全てが時間を無駄だなというかのような表情を浮かべている上質な衣装を身に纏ったふくよかな女性の隣でプラシ天の大きな長椅子に座っている。ドレンはPCたちに丁寧なお辞儀をし、淑女グローリアナ・モリラを紹介する;このタルドール人の女性は紹介の了承として首だけ僅かに一揖するが、それ以外には誰にも挨拶する動作を見せない。この淑女の社交性は知悉しているのだろう、ドレンはPCの任務の説明を続ける。冒険を進行させる為、以下を読むこと。

「最近、エスカダーにいる低アズラント人の、申し出を携える密使から我々に接触があった。内海の海底でアズラント人の唯一無二の遺物を発掘したらしく、研究用の収集品に品を追加するまたとない機会となっている。しかしながらその代わりに、我々は既に目録化した品1つをエスカダーに運ばなければならない。低アズラント人たちは難しい取引を持ち掛けているため、君たちにはアズラントの品が信頼できることを保証できるように遺物の故買屋をエスカダーまで先導し、十人の為に公平な取引を調停して欲しい。

ドレンはPCたちに、この遺物を得たい集団はパスファインダーだけではないと警告する。アスピス財団も申し出を持ち掛けているようで、30日以内に協会が同意を決められない場合ギルマンは財団の差配を受け入れる決心をするだろう。アスピス出資の軍船はアブサロムの港のすぐ先の水辺を巡回しており、パスファインダーの遂行者がエスカダーへと邪魔されず航海することを防いでいる。幸運なことに、彼と淑女グローリアナは解決法を持っているようだ。

淑女モリラは自らの沈黙を破り、高圧的な強い声で話しかける。「タルドール帝国の最高級に熟練した舵手に船員をあからさまに乗せさせ、港務部長とその計画を進めさせることで、こうした事態に確実に目を光らせているアスピス財団の間者が、我々は次の朝に船でエスカダーへと遺物を運ぶのだと信じさせる。この囮は協会の対話の窓が閉まる前に君たちがエスカダーへと旅しギルマンと最終的な合意を取り付けるまでに十分な時間を稼いでくれるに違いない。」

ドレンはぼんやりと一人笑いし、PCたちにパスファインダー協会の仲間である情報屋、櫓櫂区にある吸管網へ行って大師父トーチに会うよう指示する。彼はエスカダーへと踏破でき、比較的安全で秘密の道を歩める、秘密の島の中央を通る密輸人の経路をくれるだろうと。協会はギルマンの遺物の確実性を確かめる為にネスター・リースという名前の鑑定家兼遺物故買屋を雇っている;リースは大師父トーチとの対談が終わった後にPCたちと出会うだろう。

ドレンはPCたちに、ギルマンは彼らとの待ち合わせ場所であるグリンディロー盃亭と呼ばれるエスカダーの旅籠屋に泊まるよう段取りを付けている。PCたちは到着すれば、あとは低アズラント人の大使に言葉を伝え、リース先生に協会の為の外交を旅籠屋でやってもらえばいい。PCたちにリースの安全と彼の外交の成功についての責任があるとドレンは強調する。

スカイリーチを離れる前かドレンがいる間に、PCたちは任務を明確化する為に質問を望んでも良い。ありそうな質問への回答は以下の通り。

ネスター・リースとは誰ですか?/彼の風貌は?「リース先生は鑑定人であり遺物故買屋でありパスファインダー協会の協力者だ;彼は中年のガルーンド人の男性であり、何回か我々の為に働いたことがある。彼は若い頃はパスファインダーとして野外の任務を続けようとしていたが、ひ弱だったため旅に制限がかかっていたのだ。しかしながら彼は鋭い感性を持ち、本物のアズラントの遺物を識別できる能力を持つ。」

リースは信じていいのですか?「リースは場数を踏んでおり、いつもくぐり抜けてきた。」

他にこの計画について知っている者はいますか?「私、淑女モリラ、大師父トーチ、そしてリースだな。ああと、勿論、十人委員会も。」

件の2つの遺物とは?「我々が手放すのは一揃えのうちのひと品か、もっと大きな物品の欠片らしいものだ。他の断片がないと価値がない。低アズラント人の遺物については確かなことは言えないが、我らの占術師はそれを得れば我々にとって最良だろうと信じている。」

アスピス財団と遭遇した場合どうすればいいですか?「任務の安全を確保するために能うる限りの武力を使え。対話を望むならやっていいが、いずれにしろ取引を邪魔するなら私は致命の力を使う権利を認める――し奨励する。」

ギルマンのアーティファクトを得たらどうすればいいですか?「同じ道を辿って可能な限り早くそれを持って戻ってくること。」

アスピスが先に取引を完了したらどうすればいいですか?「なら失敗だ。エスカダーまで7か8日以上はかからないのであれば、我々が取引を完了するには廿日与えられている。取引を締結できないなら、以降も我々はできないだろうし、財団が既に得ているのだろう。」

取引に応じられなかったり交渉が決裂したりした場合どうすればいいですか?「我々には十分な時間と多くの資材がある。私はお前らの能力なら任務を達成できると自信を持っている。」

我々が運ぶ遺物の責任は誰が持ちますか?「君たち全員だが、取引を結び、ギルマンの遺物が安全にしっかりとやって来たなら、誰が持って来たかには斟酌しない。」

PCたちが離れる準備を始めたら、淑女グローリアナは立ち上がろうとし、パスファインダーたちの1人の補助をもらおうと腕を伸ばす。どのPCが自ずからこの貴人の手を引こうと、その人は手助けする間にこの淑女が小さな紙片を自分の手の平に滑り込ませたことが分かる。求められたらPCに問題のプレイヤー用印刷#122ページ参照)を渡すこと。

吸管網

PCたちはエスカダーへの旅に出れるようになる前に、神秘的な情報屋にして元パスファインダー、かつアブサロムの櫓櫂区の水脈の下の地下水道の網をとり仕切る協会の暗影派閥の長大師父トーチと出会わなければならない。吸管網を見つけるのには特別な技能は要求されないが、パスファインダーは櫓櫂区のゴツゴツとして不安定な、水浸しの道を抜けて地下の下水道に入らなければならない。

どら声のハーフオークの見張りはPCたちを吸管網にある、魔法的に水溜りの全て、水気さえ排除された大きな部屋であるトーチの謁見所まで通す。中年も終わりを迎えつつある暗色の髪をした火傷痕のある男トーチが大きな湯船の中で寛いでおり、2人のお付きが彼の呪われ化膿した傷に冷水を絶えず注いでいる。ハーフオークの護衛たちが油断なくPCたちに目を配ると、大師父は起き上がって挨拶し、話しはじめる。

「ようこそパスファインダーたちよ。十人委員会の歩駒として生き延びてきたようだが、まずはそれを讃えさせてもらおう。君たちの次の仕事は冒険団長が話したであろうことよりもっと危険なものだ、警告の言葉を送らせて欲しい。パスファインダーの遂行者に無数の冒険から帰還するのに必要なあらゆる方便を与えられるようにするのを生涯の仕事にしようと俺は決めており、この地図は俺が与えるその方便だ。出来る限り厳密に地図にある指示に従うことだ。道を外れれば能力を遥かに上回る脅威と遭遇することになるだろう。多くの者は俺を色眼鏡で見て協会の裏切り者であるかのように信じているが、俺は心底忠実なのはあの組織の実体に対してだ。つまり、お前たちのような。

「十人委員会あるいはその名代から不遇を受けていると思ったなら、躊躇わずエスカダーから戻って教えてくれ。俺の遂行者と間者による情報網が広くなるほど、お前たちにとっての強力な仲間になれるだろう。

「さあ行け。長い旅が待っている。もう一度言うが、地図から外れるなよ――安全に往復できるように書いてあるんだからな!」

PCたちにプレイヤー用印刷#223ページ参照)を渡すこと。大師父はPCたちがするであろう質問には何でも答えるが、ドランドル・ドレンが既に語った以上のことは殆ど知らない。聞かれた点について彼は地図の印や言及をPCたちに丁寧に説明するが、彼自身は自らの描いたこの密輸業者の道を歩んだことはない。

ネスター・リース

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大師父トーチから党派の地図を受け取ったなら、PCたちに来たる旅路への十分な準備と消耗品の購入ができる期間を認めること。その間に、ネスター・リース(LE人間エキスパート5)がPCたちに近付いて挨拶する。リースはPCたちの準備ができたならいつでも出発できると言い、島へと渡って埠頭岬の村に到着する旅を早めるため、軽装で旅しないかと意見する。

リースはガルーンド人の血を継ぐ杖をつく男で、心臓疾患で右半身が弱いのだと言う。リースは道中不満も言わずPCたちと歩調を合わせようとし、いつも温かい笑みを浮かべ、PCたちが補助するのであれば感謝する。

実際のところ、リースには身体的制約などないが、人は不具の要求に従った交易をしたがると考えているため、そのフリをしている。過去について聞かれた場合、リースは冒険を手に職にしようとしたが、コツが掴めなかった経験を共有する。それは才能を無駄にしたわけではなく、鑑定家としてアイテムの価値を量るいい仕事をする為の知識と能力を広める役に立った。冒険者の草履を脱いでからも彼はパスファインダー協会から仕事を得ることに抵抗はない。PCたちがリースを疑う場合、彼はいかがわしい人物であり恐らく何か隠していることを認識する為のDC15の〈真意看破〉判定を認めること。リースが旅の間PCに嘘を率直に求めることはなく、そうなりそうな質問は避ける。彼のパスファインダー協会との経歴と過去に偽りはない。〈真意看破〉判定が17位上ならそのPCは、ネスターは実際にはびっこではないことを認識し、DC20の〈知覚〉判定によって彼の杖はソード・ケイン(Pathfinder RPG Advanced Player’s Guideの179ページ参照)であると認識する。PCたちがいずれかの詐称を指摘した場合、ネスターはこの計略は単なる試験であるフリをし、PCたちの慧眼を褒める。嘘が見破られると彼は白状するが、別の詐称は状況が許す限り吐き通す。

ネスターは道中危険を避けようとするが、GMにとって彼は価値ある道具となりうる。PCたちでは収集がつかなくなった場合、彼は追加の戦闘員が必要なのであれば手助けに入れるし、PCが受けるダメージ量を薄める追加の弾除けにもなれる。この冒険は彼が生き延びてエスカダーの交渉で介助することを想定しているが、道半ばで死んだ場合、アスピス財団のアーティファクトが偽物であるとPCたちが認識するのがただ難しくなるだけだ。

ネスター・リース CR1

男性で中年の人間エキスパート3

LE中型の人型生物(人間)

イニシアチブ+1;感覚〈知覚〉+6

防御

AC13、接触11、立ちすくみ12(+2鎧、+1【敏】)

hp17(3d8)

頑健+1、反応+2、意志+3

攻撃

移動速度30ft.

近接ソード・ケイン+1(1d6−1)

一般データ

【筋】9、【敏】13、【耐】10、【知】14、【判】10、【魅】9

基本攻撃+2;CMB+1;CMD12

特技《欺きの名人》、《軍用武器習熟》、《技能熟練:鑑定》

技能〈鑑定〉+11、〈はったり〉+7、〈装置無力化〉+7、〈変装〉+7、〈知識:歴史〉+8、〈知識:地域〉+8、〈言語学〉+8、〈知覚〉+6、〈真意看破〉+6、〈魔法装置使用〉+5

言語アズラント語、共通語、ドワーフ語、エルフ語、オシーリオン語、ポリグロット語、森語

装着品レザー・アーマー、ソード・ケイン

一幕目:踏破の旅

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PCたちはエスカダーへと渡してくれる小舟を借りることになる埠頭岬に着く前に、コルトス内部の険しい道を84マイル旅しなければならない。PCたちはこぢんまりとした村に到着する前に鬱蒼とした森、凍える山道、そして悪臭の沼沢地を抜けなければならない。平均的な移動速度30フィートの徒歩の一行の踏破の速度は1日に24マイルである。

地図上に印の付けられたエリア3つは以下のように基本野外速度を変える。コルトス山脈の麓の密生した森は移動困難な地形でいっぱいの道のない原生林と見做される;この森の移動速度を1日に6マイルに減少すること。コルトス山脈のうねる山道は踏み分け道として扱うこと;PCたちはその地域を1日に18マイルの速度で移動できる。最後に、悪臭の沼沢は道のない土地として扱い、更に沼沢には高さ1フィートの汚らわしい毒の濃霧が立ち込めている。この障気によって足元は危ういものとなり、それによって沼沢の移動は1日に6マイルとなる。

以下の表はシナリオ中にあるそれぞれの遭遇エリアの間の距離と移動時間の概要であり、速度が30フィートであると想定している(エリアHとIの遭遇の間の距離を除く、そこは時速2マイルの船上での移動だ)。一行の誰かの速度が30フィート未満の場合、ネスター・リースは一行の足が遅れないようポニーの乗騎を1頭貸そうかと申し出る。野外移動と一行の速度に影響を与える様々な状態に関する更なる情報はPathfinder Roleplaying Game Core Rulebookの171〜172ページ参照。

アブサロムからエスカダーまでの道は合わせて108マイルちょっとであり、予定される移動時間は7日以下だ(夜毎の休息も勘定に入れて)。道中の遭遇での傷を手当する手段として一夜を超えて休むと決める場合もっと長い時間がかかるかもしれない。

移動時間
開始地点 目的地 距離 移動時間
アブサロム A.ケンタウロスの狩場 9マイル 3時間
A.ケンタウロスの狩場 B.川渡り 6マイル 1日
B.川渡り C.クレンシャーの攻撃! 6マイル 1日
C.クレンシャーの攻撃! D.凍った四輪馬車 18マイル 1日
D.凍った四輪馬車 E.英雄の神殿 18マイル 1日
E.英雄の神殿 F.霧包みの蛭 6マイル 1日
F.霧包みの蛭 G.沼沢の母の丸太 6マイル 1日
G.沼沢の母の丸太 H.埠頭岬 15マイル 5時間
H.埠頭岬 I.エスカダー 24マイル 12時間

A.ケンタウロスの狩場(CR6)

血の染みこんだ土と数え切れないほどのアブサロム外壁への攻城に失敗した廃墟から成る荒涼とした景色を誇るケルンランドはすぐに草木の生い茂る肥沃な大地へと切り替わる。前方には雪を冠する大山脈の麓を覆う大きな森が広がっている。良く踏み均された道は背の高い木々の壁によって終わり、文明圏の終わりの合図となっている。

最近、不可思議な捕食動物がこの森に入り、ケンタウロスの食料備蓄を脅かしているため、ケンタウロスの部族はその獣を倒そうと最も技量のある狩人3人を送り込んでいる。ケンタウロスたちは大猫、より具体的には豹を狩るのだと信じているが、彼らの知らないこととしてその捕食動物はクレンシャーとして知られる魔獣である。

クリーチャー:ケンタウロス3人はクレンシャーの屠殺騒ぎを終わらせようと森の端を巡回している。こうした狩人たちはPCたちが遠くアブサロムから旅してきたことに驚き、彼らの意図に好奇心を持つ。PCたちが森に近付いて行くと、ケンタウロスの頭目アーデル・サンダーフーフが彼ら旅人たちを呼び止め、捕食動物がお前たちの入る森を脅かしていると警告する。ケンタウロスの最初の態度は中立的と扱うこと。

ケンタウロス(3) CR3

hp30それぞれ(Pathfinder RPG Bestiary42ページ)

戦術

戦闘中ケンタウロスは戦端が開かれても争うのを避けようとし、攻撃するのは他にやりようがない時だけだ。ケンタウロスは防御的に戦いながらPCたちのアクションの愚かさについて説く。

士気「豹」との避けられない戦いの為の力を温存しようと、ケンタウロスたちはその優れた速度を使って戦闘から撤退する。


進展:友好的にした場合、森を徘徊する暗色猫についての警告に加え、ケンタウロスたちはPCたちにグッドベリー呪文をかけた野苺8つと、エスカダーへの旅の手助けとして高品質ロングスピアを提供する。ケンタウロスたちが知る限り、これらの野苺は4日の間魔力を保つ。更に、アーデル・サンダーフーフはあの猫はほんの2日前に自分たちを待ち伏せ場所に追い込んだかのような存在に感じたため、単なる動物ではないのかもと示唆する。サンダーフーフはPCたちに出会ったのならあの捕食者を殺してほしいと頼むが、PCたちの任務は彼ら自身のものという立場を取り、どのような状況であれ彼らと共に森を進むことはない。


報酬:ケンタウロスたちを友好的にした場合、PCそれぞれに28gpを与えること。

CR6の遭遇?

PCたちの最初の遭遇はコルトス島で最も文明化した人外の住人の1つ――ケンタウロス――と対話させる機会を意図している。GMはケンタウロスたちを非戦闘員であると表現すべきであり、PCにロールプレイの機会と道中で予期されるものについて知る機会の双方を提供する時間を創造すること。血に飢えたPCたちでさえケンタウロスとの衝突を避ける十分な機会を持つことだろう(戦術にある概要の通り)が、諍いをするつもりのPCたちはすぐに丈に合わない者を相手にしていると気付くだろう。にも関わらず、ケンタウロスの性能の項の通り、彼らには戦うつもりがなく、PCたちのような比較的怖くない脅威に対してでも必ず戦闘から撤退しようとする。

B.川渡り

水の走る音が前方から反響しており、光条が音もなく鬱蒼とした森を貫いている。鬱々たる森が開けると、目の前の道を塞ぐ川が明らかになる。大きな倒木が急流を渡れる道となっている。波濤の音以外は、不気味なほどの静寂が辺り一帯を満たしており、同様にできたての死臭も充満している。

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半分食われた大鹿の遺骸が激流付近の森の群葉を血に染めている。DC12の〈知覚〉判定で強力なネコ科がこの動物を倒したことを示唆するような、幾条かの裂傷がこの死体を切り裂いていると識別できる。更に、DC10の〈生存〉判定は川という裂け目を橋渡しする大きな樫の木の幹に通じる森の砂利の地面にぎざぎざに刻まれた真新しい動物の足跡を明らかにする。

川を渡るには、幹の橋を歩いて渡ってDC10の〈軽業〉判定に成功するだけで良い。PCたちは何も脅かされていないのであれば、この判定に出目10ができる。

PCがこの天然の橋を使う代わりに川に入ろうとする場合、水流に流されないようにする為にDC13の【筋力】判定に成功しなければならない。このセーヴに失敗したPCはラウンドにつき速度20フィートで川に流されて移動する。幸運なことに川は深さ5フィートしかないが、PCたちが激流に捕らえられている毎ラウンド、鋭い岩にぶつかるのを避ける為のDC15の【筋力】判定かDC10の【水泳】判定を行わなければならない。この判定に失敗したPCは1ポイントの非致傷ダメージを受けて川を下り続ける。PCたちが地図の境から出たなら、自由に水から出れるほど流れは遅くなると想定すること。水流は東に流れてから南に向きを変える。いずれかの技能判定に成功したPCは即座に安全に浅瀬へと身を揚げることができる。加えて、川瀬にいるPCは伸びた枝、縄、あるいは他の道具を使って泳いでいるPCを補助できる;これを行えば影響を受けたPCの川から出る為の【筋力】あるいは〈水泳〉判定に+2のボーナスが与えられる。

クリーチャー:PCたちが警告を受けているクレンシャーが厚い下生えから川を渡る彼らを見つめている。DC25の〈知覚〉判定によってPCは自分たちを監視する菫色の目をした黒猫に気付ける。気付けないなら、鹿の遺体を精査してから毎ラウンドPCたちにDC15の〈真意看破〉判定を認めること。成功した場合、そのPCは見つめられているような突き刺すような存在感を感じる。PCたちがクレンシャーを(〈知覚〉にせよ〈真意看破〉にせよ)看破した後、この魔獣は木々の生い茂る場所へと駆けてPCへの攻撃の準備をする(エリアC参照)。

C.クレンシャーの攻撃!(CR1)

PCたちが川を渡ると、クレンシャーは次にPCたちが宿営を設置する時に攻撃しようと備える(PCたちが森で休む二夜目が最もありそうだ)。PCたちが川の近くで野営する場合、エリアBの地図を使うこと;しかしながらPCたちがどこか他で野営する場合、彼らの宿営の周辺の森を表すのにエリアCの地図を使うこと。エリアCの木々で覆われた部分は重度の下生えであるものとして扱うこと(Pathfinder Roleplaying Game Core Rulebookの426ページ参照)。

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クリーチャー:クレンシャーは夜の帳が下りるまで攻撃を待ち、優れた〈隠密〉技能を使って重度の下生えからPCたちの宿営地へと近付く。クレンシャーはPCたちの何人かが眠りに落ちたと信じると、暗視がこの夜戦の間自身に優位を与えると信じて攻撃する。

クレンシャー CR1

Pathfinder RPG Bestiary 2の174ページ

N中型の魔獣

イニシアチブ+6;感覚暗視60ft.、夜目、鋭敏嗅覚;〈知覚〉+5

防御

AC15、接触12、立ちすくみ13(+2【敏】、+3外皮)

hp13(2d10+2)

頑健+4、反応+5、意志+1

攻撃

移動速度40ft.

近接噛みつき+2(1d6)、2爪+2(1d4)

特殊攻撃骸骨顔

戦術

戦闘前クレンシャーは重度の下生えを使って悪夢の猛攻の為の最良の位置取りをする。

戦闘中クレンシャーは夢だに思わない被害者を捕えようと音もなく最寄りの眠っているPCへと近付く。クレンシャーが使う最初の猛攻の後、彼は骸骨顔の能力を使って起きているPCたちの士気をくじく。遠隔攻撃を使うPCと対面した場合、クレンシャーは再び重度の下生えへと入り、再度の攻撃の為の位置取りを試みる。

士気肉を切望するクレンシャーは死ぬまで戦う。

一般データ

【筋】11、【敏】14、【耐】13、【知】6、【判】12、【魅】13

基本攻撃+2;CMB+2;CMD14(18対足払い)

特技《イニシアチブ強化》

技能〈威圧〉+1(+5士気をくじく)、〈知覚〉+5、〈隠密〉+10;種族修正+4士気をくじく為の〈威圧〉、+4〈隠密〉

言語森語(発声不可)

特殊能力

骸骨顔(超常)標準アクションとして、クレンシャーは顔から皮を引き剥がし、その頭骨の筋肉と骨の構造をさらすことができる。これは1体の相手の士気をくじく為の〈威圧〉を用いるものと扱い、変則的能力である。クレンシャーは皮膚をはがしながら大きな叫びを上げることができ、クレンシャーを目視することができる100フィート以内の1体のクリーチャーに大きな恐怖を与えることができる。目標となったクリーチャーはDC12の意志セーヴを行わなければならず、失敗した場合は1d4ラウンドの間恐れ状態(目標が6ヒット・ダイス以下の場合)あるいは怯え状態(目標は7ヒット・ダイス以上である場合)となる。セーヴに成功したクリーチャーは24時間の間同一のクレンシャーの骸骨顔能力の効果を受けない。これは[音波、精神作用、恐怖]効果である。このセーヴDCは【魅力】に基づいている。


進展:PCたちがクレンシャーを倒した後、アーデル・サンダーフーフが森を抜けてこちらへと駆けて来る。PCたちが彼の森の住まいにとっての脅威を打倒したのを見た彼はPCたちにクレンシャーの遺体と引き換えとして価値のある毛皮の提供を申し出る。このケンタウロスはPCたちに毛皮を与えると、コルトス山脈の高地の命を奪う極寒について警告し、この毛皮を外気から身を守る助けに使うといいと示唆する。これらの毛皮はDC15の〈製作:衣服〉あるいは〈生存〉判定によって間に合わせの防寒服として使える。アーデル・サンダーフーフはPCたちに感謝してからこの森を離れて彼の部族の宿営地へと向かう。


報酬:PCたちがクレンシャーを倒しアーデル・サンダーフーフの贈り物を受け取った場合、PCそれぞれに25gpを与えること。

D.凍った四輪馬車

PCたちが山道を進む初日以降で宿営の陣を張るとき、彼らは半分雪に埋まった帆付きの四輪馬車を垣間見る。四輪馬車の調査によって凍死したのが明らかな凍りついた人間が明らかになる。彼ら探索者たちは愚かにも寒冷期に山を渡ろうとしてその代償を命で贖う羽目になった。幸運なことに今はそこまで寒くないが、夜の気温は4時間(午前1時から5時)は華氏40度未満まで下がる。その間、PCたちは全員頑健セーヴ(DC15に加え以前の判定につき+1)に毎時間成功しなければ1d6ポイントの非致傷ダメージをセーヴに失敗する度に受ける。幸運なことに、帆の張られた四輪馬車にあるいくつかのアイテムはPCたちが凍える夜を生き延びる手助けをしてくれる。

四輪馬車の中での夜営を決めた場合、それによって夜間の冷たい吹き荒ぶ強風に対する状況ボーナスが与えられる。四輪馬車には5人の中型クリーチャーが入れ、四輪馬車にいる者全員は外気に対する頑健セーヴィング・スローに追加の+2のボーナスを得る。加えて、この四輪馬車にはDC10の〈知覚〉判定で発見できる薪を燃やす種類の暖炉があり、また一晩火を絶やさないだけの十分な薪もあり、寒冷な気候に対する頑健セーヴィング・スローに更に+2のボーナスが与えられる。最後に、〈生存〉技能を持つPCは気温が華氏40度を超える(午前5時)まで自分が生き延びられる可能性を増せるかも知れない。そうしたPCがDC15の〈生存〉判定に成功した場合、その人物は頑健判定に+4のボーナスを得る;成功した判定で15を超える1ポイント毎に追加でPC1人にこのボーナスを提供してもいい。

宝物:死体3体それぞれは、着用者に寒冷な気候に曝される事に対する頑健セーヴィング・スローに+5の状況ボーナスを与える防寒具を着ている。


報酬:PCたちが防寒具を発見する場合、PCそれぞれに2gpを渡すこと。

E.英雄の神殿

風が大きな山を吹き抜けると、今いる場所から50フィートほど上の崖から何かがキラリと光って見えた。氷の壁面を登ろうと望むPCはDC10の〈登攀〉判定に成功しない限り害は受けないがこれまでの道程を滑り落ちる。

完成した小さな女性の石像が付近の神殿とともに崖に坐している。DC15の〈知識:歴史か貴族〉判定に成功したPCはこの石像の姿はAR4592年までコルトス島を縄張りにしていたグレート・ドラゴンのメジェレックスを仲間が倒せるよう自己を犠牲にしたタルドール人の冒険者である淑女カイルを模したものだと識別する。道から見えた煌きは神殿の托鉢に入れられた大量の硬貨と宝石が日光を反射させたものだ。

宝物:托鉢に献納された硬貨と宝石は全部で585gpの価値がある。神殿からこの富を取るPCはDC14の意志セーヴに成功しない限りこの冒険の終わりまで全てのセーヴィング・スローに−1の幸運ペナルティを受ける。神殿に敬意を払うPCは、それが祈祷によってでも最低1gpの価値のあるアイテムや硬貨によってでも、身体が暖かくなったように感じカイルの祝福を受け、将来3回まで竜のブレス攻撃の効果に抵抗する為のセーヴィング・スローに+1の幸運ボーナスが与えられる。


報酬:PCがカイルの祝福を受けたか神殿から既存の喜捨を盗んだ場合、プレイヤーそれぞれに98gpを渡すこと。

選択式の遭遇

エリアFの蛭と病気は選択式だ。このシナリオを完了するのに2時間半以上残っているなら、通常通りエリアFを運用すること。2時間半残っていないなら、エリアFを飛ばしてエリアGに直行すること。

F.霧包みの蛭(CR1)

汚らしい沼地の悪臭が空気を汚すように、濃密な霧の塊が幅広の近道の間で踊っている。数種類の変わった蔦の種が靄の棚引く道の中で捩れており、エーテルのような見た目のもつれを形成している。不規則な間隔で汚水の飛沫の音が遠くから聞こえ、蛙か他の沼沢クリーチャーの存在を告げている。

この沼沢の6マイルの区間を旅するには1日かかる。ここでは分厚い濃霧が地面と湿地の水を高さ1フィートまで覆っている。この濃霧は視界には影響を与えないが、濃霧によって折り重なった汚物と多量の小枝と浅い水溜りが隠されているため、PCたちは危険な旅を強いられる。沼沢の道中ではPCそれぞれは旅(合計8時間)のうち毎時間DC12の〈軽業〉判定に成功しない限り足を踏み外し、大量にある濃霧の下で突き出した枝や絡み合った根に足を引っ掛ける。PCが転ぶ度、そのPCは地面に敷かれた濃霧の毛布を吸い、この濃密な障気はあらゆる種類の汚穢でいっぱいであるため病気に罹る危険を負う。濃霧へと転けたPCそれぞれは霧包みの障気に曝されたものとして扱う。PCが霧包みの障気と接触したなら、そのPCがこの障気と二度目の接触をすることはない。更に、PCたちが転んだなら、25%の確率で蛭でいっぱいの浅い沼沢へと飛び込む。

霧包みの障気

種類[病気]、吸引;セーヴ頑健DC13

潜伏期間1d3日;頻度1/日

効果1ポイントの【判】ダメージ;治癒2連続セーヴ

クリーチャー:数千の蛭が沼地の池に蔓延しており、PCが浅い沼沢へと転けた時、1d2匹の蛭がそのPCへとひっつく。蛭の噛みつきと同時に麻酔が効くため、PCはDC10の〈知覚〉判定に成功することで蛭が自分にひっついたことに気付ける。蛭それぞれはPCたちが何らかの手段で治療されるとすぐに除去される1ポイントの【耐久力】ダメージを与える(DC12の頑健セーヴでこのダメージを除去できる)。蛭がダメージを与えたなら、膨れ上がって剥がれ落ちる。蛭は引き剥がしても焼いても良く(これによって宿主に1hpダメージを与える)、あるいは剥がれるまで塩で擦っても良い(宿主にはダメージを与えない)。最低1ポイントの外皮を持つクリーチャーは蛭の効果を無視できる。

災難:沼地の地面を覆う濃霧の毛布へと転けた者は霧包みの障気と接触する危険を負う。

G.沼沢の母の丸太(CR1)

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PCたちが沼沢を通過していくと、濃密なうねる濃霧は霧散し始め、PCは足元が見えるようになる。視界は広まったにも関わらず、汚物と植物はより暑く折り重なるため沼地のこのエリアは移動困難な地形である。

砂利道を横断する大きな丸太は横にしても高さ5フィートある。朽ちかけた木製の扉がこの丸太の片端の虚を覆っていて、間に合わせの泥製の煙突からは薄い青い棚引く煙が放たれている。その裏にある粗雑な家で誰かが調子っぱずれの鼻歌を歌っているのが聞こえる。

中空の丸太の中には寝台として使われている葉の山と、あらゆる種類の鉢植えされた茸でいっぱいの長い木製の棚が東の壁に並んでいる――これは、それ以外は質素な住居を彩る唯一の装飾だ。丸太の家の北側には薊の小規模な群生が、庭に似せて植えられたかのようにでたらめな並びで育っている。

クリーチャー:沼沢の母として知られるコボルド・ドルイドは緑色の花を咲かす薊を倒れた丸太の家の近くに植える趣味があり、背を丸めながら草それぞれを甲斐甲斐しく育て、いい子だと小さい子を褒めるように竜語で話しかけ、時に庭の手入れをしている間に短い鼻歌を歌う。彼女のクロコダイルの動物の相棒スナップ・ジョーは庭の端にある沼沢で沈んでおり、ぬかるみを見つめて獲物の候補を待っている。

沼沢の母 CR1

女性のコボルド・ドルイド2(Pathfinder RPG Bestiary183ページ)

NE小型の人型生物(爬虫類)

イニシアチブ+3;感覚暗視60ft.;〈知覚〉+8

防御

AC15、接触14、立ちすくみ12(+3【敏】、+1外皮、+1サイズ)

hp15(2d8+3)

頑健+2、反応+3、意志+5

弱点光に過敏

攻撃

移動速度30ft.

近接クラブ+1(1d4−1)

ドルイド準備呪文(CL2;精神集中+4)

1レベル―キュア・ライト・ウーンズエンタングル(DC13)、シャレイリ

0レベル(回数無制限)―クリエイト・ウォーターディテクト・ポイズンフレアー(DC12)、ガイダンス

戦術

戦闘中沼沢の母は出来る限り多くのPCを捕えようとエンタングルを発動し、スナップ・ジョーが邪魔されずに自由に攻撃できるよう離脱して丸太の前の道を開ける。戦闘の2ラウンド目、沼沢の母はシャレイリを発動して近接戦闘に入る。自分はダメージを受けていないがスナップ・ジョーが倒された場合、彼女はサモン・ネイチャーズ・アライIを任意発動してポイズン・フロッグを招来する;そうした状況でない場合、彼女は必要に応じて自身の傷を癒やす。

士気沼沢の母は、PCたちは「子供たち」を傷つけようとしているのだと信じながら死ぬまで戦う。

一般データ

【筋】9、【敏】16、【耐】8、【知】8、【判】15、【魅】12

基本攻撃+1;CMB−1;CMD12

特技《追加hp》

技能〈製作:罠つくり〉+1、〈動物使い〉+5、〈知識:地理〉+3、〈知識:自然〉+5、〈知覚〉+8、〈職能:鉱夫〉+4、〈隠密〉+8、〈生存〉+8;種族修正+2〈製作:罠つくり〉、+2〈知覚〉、+2〈職能:鉱夫〉

言語竜語、ドルイド語

SQ自然の絆(動物の相棒)、自然感覚、野生動物との共感+3、森渡り

戦闘用装着品ワンド・オヴ・キュア・ライト・ウーンズ他の装着品クラブ、合計で150gpの価値がある8アメジスト

bog-mother
スナップ・ジョー CR―

クロコダイル(アリゲーター)の動物の相棒

N小型の動物

イニシアチブ+6;感覚夜目;〈知覚〉+5

防御

AC17、接触13、立ちすくみ15(+2【敏】、+4外皮、+1サイズ)

hp19(3d8+6)

頑健+5、反応+5、意志+4

攻撃

移動速度20ft.、水泳30ft.

近接噛みつき+5(1d6+3)

戦術

戦闘中スナップ・ジョーは沼沢の母に最も近い相手に暴力的に噛みつく;そのコボルドを複数のクリーチャーが脅かしている場合、最も小さな敵を攻撃する。

士気沼沢の母が生きている間は、スナップ・ジョーは死ぬまで戦う。沼沢の母が倒された場合、スナップ・ジョーはヒット・ポイントが5以下になるまで戦い、そうなった時点で沼地へと逃げる。

一般データ

【筋】15、【敏】14、【耐】15、【知】1、【判】12、【魅】2

基本攻撃+2;CMB+3;CMD15(19対足払い)

特技《イニシアチブ強化》、《鋼の意志》

技能〈知覚〉+5、〈隠密〉+10、〈水泳〉+14

SQ息止め


進展:沼沢の母は中空の丸太の中で暮らしているが、そこに価値ある物はない。PCたちが彼女の命を惜しむ場合、彼女は竜語のみ(あるいはドルイド語で意思疎通できるPCがいるならそれ)を話し、半自家栽培の薊のことである「子供たち」について無意味な話を告げる。余り長い間ここにいる場合、リースはエスカダーへの経路となる埠頭岬へと急かす。


報酬:沼沢の母を倒した場合、PCそれぞれに88gpを与えること。

H.埠頭岬

閑静な漁村である埠頭岬はPCたちに暖かな宿、熱い肉、そしてエラン小島へと旅する手段を提供する。ここに書くのはエスカダーへとPCたちを乗せられる船長たち3人だ。埠頭岬の住人を補助する経済的な手段はほとんどないため、できるだけ3人はPCたちから金を取ろうとする。その3人の船長と彼らの取引の技術の下記に詳述する。海上輸送と比べればPCにとって物は多くないが、小物の補充を望む者なら埠頭岬を市場と呼べるだろう。

ダリス・スモア(N女性の人間エキスパート2)は無愛想な若い女性に見えるが、その海の天気のように移り気な表情が軟化すれば、可愛く見える。ダリスは、自分の父がかの組織の一員として疎遠になっているため、埠頭岬にいるパスファインダーを、不快を催させる存在と感じる。父を知らない彼女は協会を憎みながら育ったが、束の間の逢引の後に父が母に残した贈り物はウェイファインダーであり、それはダリスが便利に使っている。

問題のある躾のため、ダリスの最初の態度は非友好的であり、パスファインダーは自分の小舟には乗せられないと率直に断る。しかしダリスを友好的にできた場合、彼女は35gpでエスカダーへと乗せて航海し、協力的にできた場合、彼女は本人も旅する予定だったからとタダで彼らを乗せる。PCの誰かが父性を見せる場合、それが実際そうした年齢だからにせよ、うまいフリによってにせよ、一行はダリスとの折衝の為の〈交渉〉ロールに+2の状況ボーナスを受ける。PCがダリスに〈威圧〉を試みる場合、彼女はパスファインダー協会の者より下らない人間はいないと冷たい態度を取り、PCたちとの取引を断る。

チビ助オッティ(LN男性のハーフリング・ローグ1)は丸々とした体型が海での浮力を産むのさといつも言っている太ったハーフリングだ。身なりがよく絶えず食べているチビ助オッティはまず55金貨でPCたちをエスカダーまで乗せようと申し出る。有難いことにオッティには悪徳があり、PCの誰かが良質の食料や飲料をこさえての歓談を申し出る場合、一行は彼の態度に影響を与える為の〈交渉〉判定に+5の状況ボーナスを得る。初のオッティの態度は中立であるが、PCが友好的に変えた場合彼は運賃を25金貨だけでいいと同意する。協力的にできた場合、彼はしぶしぶ費用を15gpに固定する。PCの誰かがオッティを威圧する場合、彼は食欲が失せたと不満を言いながら最高の送料から変えなくなる。

物狂いタナー老(CN老年の人間レンジャー2)は髪を乱した、魚の臭いを撒き散らす、ギョロ目の男であり、パイプから灰色の濃密な煙の塊を吹く傍ら絶えず独り言を呟いている。彼は海に怒鳴ることで知られており、そこで海は不誠実な女主人だと告発し、自分が若い頃はどれだけ世の中が良かったかについて説いている。彼は狂っているように見えるが、タナーは精神異常者の振りによって自分に与えられる敬意を享受している。村民はタナーが地元の商品を大量に卸していることを恐れ、尊敬はしていないと言うが、彼の海での能力を否定することはない。

彼はエスカダーへと35金貨でPCたちを乗せようかと提案し、これは大っぴらで提示できる最も安い価格だが、最安値ならたったの25金貨まで下げられる。交渉が始まる時のタナーのPCに対する最初の態度は中立であるが、友好的にできた場合、彼は最高の価格である25金貨をPCたちに提案する。タナーの態度を協力的にまで変えても25gpを超えて価格が下がるわけではない。PCの誰かがタナーに煙草の草を渡す場合、一行は〈交渉〉判定に+2の状況ボーナスを得る。〈威圧〉技能を使ってタナーにもっと良い価格で取引するよう説得するPCは、昔日の黄金期の人々の誠実さに関する唾をまき散らしながらの長広舌による取引終了を受けることになる。

埠頭岬

N村

退廃+1;犯罪−5;経済−1;法治+3;情報+1;社交+2

特性島国根性、迷信深い

危険+0

人口統計

政治体制独裁制

人口78(67人間、8ハーフリング、2ドワーフ、1ギルマン)

重要なNPC

村長レギス・クームス(N男性の人間エキスパート3)

港の女主人ナミア・ルアン(LN女性の人間ローグ4)

市場

基本価格500gp;購入上限2,500gp;呪文発動1レベル

下級アイテム2d4;中級アイテム1d4;上級アイテム

〈交渉〉(情報収集)あるいは〈知識:地域〉

PCが取引を始める前に時間をかけて地元の船長たちについて聞き込みをする場合、以下の情報を学べる。

15+ダリスは父を知らず、村人の多くが父はパスファインダー協会の者だったのではないかと囁いている。チビ助オッティは食い口が沢山いるから――より重要なこととして、自分の口だが――と、硬貨を重んじる。タナーの海上での技に敵う者はいないが、彼は狂っている;彼と船を共にすればスコールまで直行することになるだろう。

20+ダリスは父を知らないことに憤っており、一部の者が言うにはダリスは父が自分に残してくれた装身具を熱心に手入れしているらしい。チビ助オッティは上質の飲食に目がなく、彼との取引は食事を絡めると円滑に運ぶ。タナーは実際には狂っていないと囁く者もいるが、それを知ろうとするほど勇敢な者はいない。

25+ダリスは時にこの共同体の男の老人に手を貸すことがあり、父の姿を重ねているのではと当て推量する者もいる。オッティは満額を請求することがあるが、礼節を弁えて接するのであれば、ずっと値引きすることもある。タナーは煙草を嗜み、商人たちは彼を寛がせようと取引を始める前に時折彼に煙草を渡す。


進展:PCがエスカダーまで乗せてくれる船長を見つけたなら、何事も無い眺めの良い旅は12時間かかる。

二幕目:エスカダー

エスカダーはアブサロムの軍港であり、コルトス島の北にあるエラン小島に位置している。アブサロムの海軍を擁し、アブサロムの信頼出来ない難破船の墓場から戦術的に離れたところに位置している。更に、アブサロムの封鎖を企む国々は話がエスカダーに素早く伝わるため、そしてエスカダーの無敵艦隊は短期間でアブサロムの助けに迎えるため、エスカダーともやりあわなければならない。人口は主に軍人であるエスカダーは多くのギルマン(彼らが自称するには低アズラント人)の故郷でもある。彼ら野望を抱く人型生物たちはこの町の中に大使館を配置しており、パスファインダー協会がアズラントのアーティファクトを貿易しようとしている組織がこれである。ギルマンはグリンディロー盃亭と呼ばれる水辺の旅籠屋でPCたちと会うことに同意している。PCたちが大使館に到着の一報を伝えたなら、ギルマンたちは盃亭で会う準備をする。

I.グリンディロー盃亭での裏切り!(CR3)

旅籠屋の喧騒がこの変わった木造りの壁で反響している。エスカダーの港を超えた不安定な場所にあるグリンディロー盃亭は無類の水の眺望を提供する。酒場の中央にある厚いガラス張りの養魚槽は衝撃的な光景を見せている。水槽の中には珊瑚でできた下半身が蛸のゴブリンの像があり、その目立たない箇所や触手の割れ目を泳ぎまわる彩り豊かな魚群の巣となっている。

グリンディロー盃亭は娯楽と酒をエスカダーの訪問者に提供する繁忙な旅籠屋だ。旅籠屋の床を支える厚い木板は港まで伸びており、エスカダーの港の壮麗な木道の景観を作り出している。木製の壁と扉が旅籠屋の構造を成しており、突き出し燭台から伸びる松明数本は旅籠屋に通常の明かりを投げかける。旅籠屋の中心部には15フィート四方の、錬金術で補強されたガラスで作られた透明な水で満たされた養魚槽が置かれている。養魚槽の底もガラスでできており、今の潮流では10フィート下で揺れる港の水が一望できる。

クリーチャー:人間2人が半ダースのお客に飲食を慌ただしく提供しており、目を引く女性が酒を調合している。DC15の〈知覚〉判定によってPCは縛った後ろ髪に隠れた厚い鰓が首の両側から覗いているため、そのバーテンダーはギルマンであることに気付く。この女性はギルマンの裏切りの裏にいるアスピス財団の遂行者ウリオネスティアだ。

PCたちがここで腰を下ろして1杯か2杯飲む機会があった後、ギルマンの一行が到着する。パスファインダー協会が送った者たちよりも小規模で重要度の低い彼らは、低アズラント人の男女2人だけで構成された間に合わせのギルマンだ。男は神経質に布でくるまれた物を帯びており、明らかにアズラントの遺物を包んだものであり、一方で女は護衛として振舞っている。

ギルマンはPCたちに挨拶し、布の包みを運んでいる男はシャオロと自己紹介する;もう1人の筋肉質の女性ギルマンはアーミザと言い、無言実直のままでいる。シャオロは丸机の前に座って自分たちの目前に包みを置き、ネスター・リースとPC1人に対し反対側の席を勧める。アーミザは彼の後ろに立ち、一行の残りを疑わしげに見つめている。

シャオロは自分もまた点検し意見が交わせるよう、PCたちに彼らのアイテムを丸机に置くよう勧める。リースがギルマンを騙そうとしていることよりも彼の贋作を認識することの方がありそうな事態であるため、彼はパスファインダーからの交換品をぞんざいに一瞥だけする。ギルマンのアーティファクトが偽物であることを認識する為のDC18〈鑑定〉判定を、PCたちに認めること。彼らが判定に成功しない場合、ネスター・リースに6ページにある彼の性能を使って独自の試みを行わせること。

PCかリースが偽物と見抜いてギルマンに詐欺を糾弾する場合、ウリオネスティアは他の2人への合図として湯呑みを落とし、不意討ちラウンドが開始する。PCたちが陥穽に陥りネスターもそれが偽物だと暴けない場合、取引は計画通り発生する。その場合、ギルマンはパスファインダーの正真正銘のアーティファクトを持って歩き去り、リースは最終的にカモにされたことを認識し、PCたちに詐欺師ギルマンを止めるよう告げる。リースが道中を生き延びずPCたちが贋作と認識するのに失敗した場合、彼らはアスピスの詐欺に騙される。

しかし戦闘が始まるなら、ウリオネスティアは湯呑みを壊すことで仲間への合図とし、彼らに目を瞑らせて戦術でおおまかに書いている通りパイロテクニクスを発動する。

grindylow
ウリオネスティア CR2

女性のギルマン変成術師3(Pathfinder Campaign Setting: The Inner Sea World Guide310ページ)

NE中型の人型生物(水棲)

イニシアチブ+6;感覚〈知覚〉+3

防御

AC16、接触12、立ちすくみ14(+4鎧、+2【敏】)

hp22(3d6+9)

頑健+5、反応+4、意志+4;+2対心術

弱点水に対する依存

攻撃

移動速度30ft.、水泳30ft.

近接ダガー+1(1d4/19〜20)

遠隔ダガー+3(1d4/19〜20)

秘術擬似呪文能力(CL3;精神集中+5)

5/日―念動の拳(1d4+1殴打)

変成術師準備呪文(CL3;精神集中+5)

2レベル―パイロテクニクス(DC15)、ウェブ(DC14)、シャター

1レベル―アニメイト・ロープグリース(DC13)、ホールド・ポータルメイジ・アーマー

0レベル(回数無制限)―アシッド・スプラッシュ(DC12)、ディテクト・マジックメッセージレイ・オヴ・フロスト

対立系統幻術、死霊術

戦術

戦闘前この計画を今日起こすことを知っているウリオネスティアは肉体強化を【耐久力】にかけている(性能に既に調整済み)。彼女はPCたちが到着する前にメイジ・アーマーを発動している。

戦闘中ウリオネスティアは湯呑みをフリー・アクションで落として仲間に自分が攻撃準備中であることの合図とし、酒場の松明にパイロテクニクスを発動してPCたちを盲目化させる。シャオロが協会のアーティファクトを持って逃げるのを彼らが止めようとする間、彼女は続けてウェブグリースによって彼らの移動を阻害する。彼女に逃げる必要がある場合、彼女はシャターを養魚槽に発動して壊れた水槽の床に開いた穴から飛び降りて港へと向かう。

士気ウリオネスティアはシャオロが逃げるか自分が8ヒット・ポイント未満になるまで戦う。彼女は可能なら砕けた養魚槽から港へと逃げ出す;できないなら、出来る限りの手段で離脱する。

基本性能メイジ・アーマーの効果が無い時、ウリオネスティアはAC12、接触12、立ちすくみ10。

一般データ

【筋】10、【敏】14、【耐】16、【知】15、【判】10、【魅】10

基本攻撃+1;CMB+1;CMD13

特技《イニシアチブ強化》、《巻物作成》、《呪文熟練:変成術》

技能〈鑑定〉+8、〈変装〉+3、〈知識:神秘学〉+8、〈知覚〉+3、〈呪文学〉+8、〈水泳〉+8

言語アボレス語、アズラント語、共通語、エルフ語

SQ水陸両生、秘術の絆(アミュレット)、肉体強化+1

戦闘用装着品ポーション・オヴ・キュア・ライト・ウーンズスクロール・オヴ・スパイダー・クライムワンド・オヴ・マジック・ミサイル(25チャージ);他の装着品ダガー、クローク・オヴ・レジスタンス+1、50gpの価値のある青い緑柱石の護符、呪文構成要素ポーチ、22gp

特殊能力

心術に対する抵抗(変則)ギルマンはアボレス以外が使用した心術呪文や効果に対するセーヴィング・スローに+2の種族ボーナスを得る。しかしアボレスが使用したこれらの効果に対しては−2のペナルティを被る。

水に対する依存(変則)ギルマンの身体は、新鮮な水あるいは塩水に定期的に浸す必要がある。それらに全身を浸すこと無く1日以上を過ごしたギルマンは体内器官に失調をきたし、肌はひび割れ、4d6時間以内に死亡する。

gillman
ショアロとアーミザ CR1/3

男性と女性のギルマン・ウォリアー1(Pathfinder Campaign Setting: The Inner Sea World Guide310ページ)

N中型の人型生物(水棲)

イニシアチブ+1;感覚〈知覚〉+2

防御

AC11、接触11、立ちすくみ10(+1【敏】)

hp6(1d10+1)

頑健+3、反応+1、意志−1;+2対心術

弱点水に対する依存

攻撃

移動速度30ft.、水泳30ft.

近接スピア+2(1d8+1)

遠隔ライト・クロスボウ+2(1d8+1/×3)

戦術

戦闘中ギルマンの第一の目的はパスファインダーのアーティファクトを持って逃走することであり、それを入手したなら彼らは撤退して扉から出て、水へと飛び込んで泳ぎ去る。PCたちが彼らの退路を断つかアーティファクトを把持した場合、2人は手を尽くして攻撃するか遺物を所有することに集中する。

士気ギルマンは遺物を入手できないか逃げられない場合、死ぬまで戦う。アズラントのアーティファクトを手中に収めている限り、彼らは逃げようとする。

一般データ

【筋】12、【敏】13、【耐】13、【知】9、【判】8、【魅】10

基本攻撃+1;CMB+2;CMD13

特技《技能熟練:知覚》

技能〈知覚〉+2、〈水泳〉+13

言語アボレス語、共通語

SQ水陸両生

装着品ライト・クロスボウと10ボルト、スピア、30ppの入ったアスピス財団の紋入りの鮫皮の小袋

特殊能力

心術に対する抵抗(変則)ギルマンはアボレス以外が使用した心術呪文や効果に対するセーヴィング・スローに+2の種族ボーナスを得る。しかしアボレスが使用したこれらの効果に対しては−2のペナルティを被る。

水に対する依存(変則)ギルマンの身体は、新鮮な水あるいは塩水に定期的に浸す必要がある。それらに全身を浸すこと無く1日以上を過ごしたギルマンは体内器官に失調をきたし、肌はひび割れ、4d6時間以内に死亡する。


進展:PCたちはウリオネスティアの死体から、彼女がアスピス財団の上司宛に綴ったギルマンの計画の概要の書かれた手紙を見つけられる、それは過去形で書かれており、まるで計略が完了した後にすぐに送付するつもりであったかのようだ。


報酬:ギルマンたちを倒した場合、PCたちそれぞれに160gpを与えること。

結末

パスファインダーの正真正銘のアーティファクトを持って逃げるギルマンを止められた場合、PCたちは安全にアブサロムと協会本部の倉庫に帰還でき、ウリオネスティアの手紙からアスピス財団の計画には遺物の海上輸送を止める算段が含まれていないことを知って海路で移動することすらできる。冒険団長のドレンは彼らの努力に感謝し馬鹿げた使い走りに送ってしまったことを謝るが、計略を暴き、協会の敵が本物のアズラントのアーティファクトの入手することを妨げたことは褒める。

エスカダーを離れる前に、PCたちはギルマンの大使と話すことを望むかもしれない。低アズラント人たちはウリオネスティアとその仲間の活動に全く気付いていなかったことが分かり、PCたちが彼らに対して告訴すれば待たされる。PCたちが外交的で、話したギルマンの大使の機嫌を損ねなかった場合、その低アズラント人の大使はグローリアナ・モリラの手紙を受け取るが、それを受け取ると彼はただにやにや笑ってPCには分からない無音の冗談に対し頷く。

アスピスの計略を止めるのに失敗した場合、PCたちは協会本部に戻ると失望を買うが、ドランドル・ドレンは、間抜けはPCだけではないことを認める。十人委員会は喜んではいないが、責任の所在はPCよりも自分の方にあると彼は言う。ドレンはPCにアスピス財団はパスファインダー協会にとっての最大の脅威であり、この経歴を続けるならかの組織に対し警戒を解いてはいけないと警告する。

加えて、このシナリオの結末に、プレイヤーそれぞれは将来のシナリオで自分のPCが働くことに鳴る派閥を1つ選択すべきである。連作はじめの一歩の三部全てをプレイしたPCは10派閥全ての頭目と会っているはずであり、どの派閥が最も自分の動機と手法に沿っているかについての考えを持っていることだろう。プレイヤーが派閥を選んだなら、加入を決めた派閥の頭目から招待の刷り物を渡すこと――刷り物全ては20〜22ページで見つかる。

成功状態

この冒険の威信ポイントを得るには、PCはエスカダーに到着しギルマンと会わなければならない。

派閥任務

連作はじめの一歩をプレイするPCはまだ派閥を決めていないため、派閥固有の任務はこのシナリオにはない。PCはこの冒険の結末に選んだ派閥の上にこのシナリオ用の1威信ポイントを得る。

andoran

アンドーラン

立派なパスファインダーたちよ、

君の冒険者パスファインダーとしての最近の功績は大いに俺に感銘を与え、提案をさせて欲しいと思ったんだ。君たちが心あるクリーチャーそれぞれの自由に価値を見出していること、内海中に民主主義を広げる活動をしている我々鷲の団とアンドーランにとっての重要な財産になるであろうことは明らかだろう。圧政をものともせず自由と自立した政府を推進する我々ならこの世界で最も強力で最も影響を与える国を樹立できる。君の次の任務の前に俺からの言葉を待っていてくれ;パスファインダーの業務を遂行する間にアンドーランからの更なる補助を受ける機会があると伝えるだろうから。

自由と民主主義の名において、

コルソン・マルドリス少佐

shadow-lodge

暗影支部

協会の奴隷よ、

今ならお前は間違いなくパスファインダーに伴うものが何か分かっているだろうし、十人委員会とその太鼓持ちの冒険団長がお前を危険な場所に送っていることを体感しているはずだ。俺はかつてお前のようなパスファインダーだったが、呪われてから仲間と呼べる者の死によって脱会し、以来普通のパスファインダーが受けるに足る権利と敬意が与えられるよう活動している。自分の収入と力のみを求める暗影支部の遂行者から逸脱者の汚名をこすり落とす手助けをしてくれ。暗影支部を協会の舵を切る少人数によって虐げられる者全ての避難所にしていこう。世界中のパスファインダーの為に俺や暗影支部と共に働くのであれば、お前が自分の行いの利益を確保できることを保証しよう。すぐに連絡する。

謎の人物どもの暗影にいる、

大師父トーチ

osirion

オシーリオン

知識と真理を求める者よ、

オシーリオンの紅玉王子のパスファインダーの名代である私にとってあなたに我らの栄えある大義に与さないかと聞くのは光栄なことだ。パスファインダーの業務は失われた廃墟の探索と古の秘密の暴露の撚り合わされたもの。業務の多くはオシーリオンの在り方とは異なるかも知れないが、いずれにせよ私たちの力を増すものだ。先人から私どもが学ぶほどに、対立する者から隠し続けている我らの力は増え、敵の備えが緩んでいる時により強くより素早い一撃が加えられるのだ。あなたの道中、紅玉王子の為に情報か遺物を獲得して欲しいと頼むかもしれない。その見返りに、オシーリオン国はあなたが物に不自由しないことを保証しよう。私たち双方に利益があると理解してくれることを願う。

伝承の従事者、

青玉の賢者アメノフェウス

qadira

カディーラ

最も忠臣たるパスファインダーへ、

十人委員会の遂行者である君の旅は君自身を世界中へと連れて行き、君は想像を超えるような不思議と宝物に触れることでしょう。道中の利益の潜在性でさえ更に信じられないものになります。義務を果たすほどに、カディーラの太守、そしてケレシュのパーディシャー帝国の為、私は我々と君の商業的独占を内海で推進できるよう、君に頼むことになると思います。そうした仕事をこなせば、君はその努力に見合った奨励金を得ることでしょう。万物の支配を確実なものにできるよう、我々と共に金庫を満たしましょう。

利益の為に、

貿易王子アアキア・アルハカム

grand-lodge

協会本部

忠実なるパスファインダーよ、

凡人からパスファインダー年代記のページにその名を残そうと新米遂行者になる者を何百人も見てきたが、お前もその口だろう。お前の、我らが優れた組織という理想への忠信と十人委員会という言葉への忠順は見上げたものだ。お前の長く輝かしい経歴において、お前の仲間の遂行者を遥かに超えるような任務を頼むことがあるかも知れない。そうした仕事をこなせれば、俺や俺の仲間の冒険団長の支持だけではなく、十人委員会そのものからの注目さえ獲得できることだろう。何よりもパスファインダー協会への忠誠によって報われることとなるはずだ。

十人の意志の元に、

冒険団長アンブラス・ヴァルシン

cheliax

シェリアックス

面白い玩具よ、

シェリアックスの僕となって私の恩寵を得ようと私の私室の前に並んでいる野望を抱く遂行者たちがいるけど、あなたの最近のアクションはとても目を引くものだったわ。スルーン家の遂行者はシェリアックスの支配を推進しその法の維持を確かなものにしようと望む者たちをいつも求めているの――弱者の背中に乗って見下ろしてでも。地獄の選択に厳格に忠実であることによってのみ、私たちは内海じゅうで力を行使できる。パスファインダーというあなたの地位は我らが地獄の女皇帝の眼鏡に適っている。将来私が手紙で頼むことを実行すれば、あなたは大帝国から、そしてより個人的な在り方として、多大な報酬を受けることになれるでしょう。

また会う日まで、

貴婦人もどきザータ・ドラルニーン

silver-crusade

白銀十字軍

善の砦よ、

パスファインダーの宗派の多くが世界中で活動している中で、自身の差配にある資源を、虐げられた者の救済、病人の治療、そして善を伝道する者の教えを広め、ゴラリオンの最も暗く堕落した隅を光で照らすことに使う者がどれだけ少ないかを理解することは難しい。しかしながらしろがね十字軍たる私たちの行いは正にそれのみであり、お前なら未来の私たちの任務における活力になるだろう。お前の用心さ、献身、そして実行力に対し、次の人生でのお前に対する究極の報酬よりも前に、私たちはお前に出来る限りの報酬を約束しよう。それまでの間、旅、人脈、そして資源を常に善の為に使えば、私たちの悪との無音の戦いは本当の勝利を知ることとなるだろう。

愛と平和と前の為に、

オリースタ・ザドリアン

sczarni

スクザーニ

信頼する友よ、

僕はパスファインダー協会と公的には関係はないけど、組織の中に友だちは多いし、君もその1人になってくれたらと思う。僕の加盟している時々悪いこともするヴァリシアの仲介業者たちと提携すれば君のような世界をまたにかけることで活計を得る遂行者には大きな助けとなることと思うよ。時間が経って君に頼み事をすることがあったら、世界中に広がる同士の資材は君の思うままになることを保証しよう。僕たちの相互利益の為に君がそこかしこで法を踏み折ってくれる限り、双方に輝かしい未来が待っていると信じている。君が考えているよりも仕事の方向性は協会のものと重なっている――僕からの言葉がすぐ来ると予期するなら、君と協会を僕らスクザーニがどれだけ補助しているかを教えられるはずだ。

厚意の返礼に、

グアリル・カレラ

tardor

タルドール

気高きパスファインダーよ、

世界の歴史にかつてあったタルドールの栄光と影響力は知っているはずだ。また、我らが帝国の国土内で我らが被った損失についても知っていることと思う。過去の月桂樹の冠――失われて久しいものだ――に甘んじることなく、我々は宿命付けられた偉大さはもはや手から滑り落ちてしまったことさえ認めなければならない。お前の奮励があれば、タルドールはかつての栄光にまた手を伸ばし暗黒時代後に栄えた帝国の再興ができることだろう! お前の補助の報いは金銭的にも社会的にも手厚くしよう。妾なら君をアブサロムの夜会からヤンマスまで連れて行け、そしてその重要さを大王子の耳に届けることもできる。我々と共に、タルドールを単なる歴史書に記載される名前でなく、来たる時代と共に訪れる勢力にするのだ。

解放された運命の為に、

淑女グローリアナ・モリラ

lantern

灯籠支部

最優なるパスファインダーへ、

パスファインダーたちの全員が私とふるさとを同じくしているわけでも墙天山脈を超えて大陸を渡るつもりがあるわけでさえないことも知っているけれど、同好の士というのは見れば分かるというもの。探索者としてにせよ年代史家としてにせよこの組織で働く間、灯篭支部に属している者のことを考えて欲しい。内海で私たちの重要さを誇示し、世界の両端にいるパスファインダーたちの間で結びつきを強められるように。そうした努力があればあなたは私やこの支部にいる他の人たちに余裕がある限りの報酬を得られることでしょう。最も重要な事は私たちの尊敬を集め名を上げられるということ――そうした報酬は富では測ることができないものになるでしょう。

東とそこにいる全ての為に、

冒険団長アマラ・リー

プレーヤー用印刷#1

親愛なるパスファインダーたちよ、

知っての通りタルドールの民は我らが偉大なる国を建国した古代アズラント人の血の流れる誇りある歴史を持っている。エスカダーにいるギルマンの大使に渡して欲しい手紙があり、簡素な封筒を持って行って最終的な目的地に着いた時に渡す以外の努力は求めない。この手紙はタルドール国との同盟を考えて欲しいとギルマンに頼むものだと明かすことに躊躇いはない――手紙がギルマンの有力者の手に渡れば、それは全く有難いことだ。

新たな陽がタルドールに昇らんことを、

淑女グローリアナ・モリラ

プレーヤー用印刷#2

erran

パスファインダー協会紹介シナリオ

はじめの一歩第三部

裏切りの幻視

□□□ カイルの祝福君は竜のブレス攻撃に対するセーヴィング・スローに+1の幸運ボーナスを得る。このボーナスはロールが行われた後、結果が出るまでの間に適用できる。君はこの能力を1回のセーヴィング・スローにつき1回のみ使える。この能力は3回のみ使える。

クローク・オヴ・レジスタンス+1(1,000gp)

スクロール・オヴ・スパイダー・クライム(150gp)

ワンド・オヴ・キュア・ライト・ウーンズ(750gp)

ワンド・オヴ・マジック・ミサイル(25チャージ;375gp)

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    Open Game License v 1.0a © 2000, Wizards of the Coast, Inc.

    System Reference Document © 2000. Wizards of the Coast, Inc; Authors: Jonathan Tweet, Monte Cook, Skip Williams, based on material by E. Gary Gygax and Dave Arneson.

    Pathfinder Society Introductory Scenario: First Steps Part III: A Vision of Betrayal © 2011, Paizo Publishing, LLC; Author: Larry Wilhelm.

訳注

このシナリオは2013年8月15日にパスファインダー協会加盟プレイから取り除かれた。2013年8月15日以降は、もうパスファインダー協会加盟プレイに適正ではなく、パスファインダー協会加盟プレイ報告制度で使用できない。(紹介ページより)

移動時間
開始地点 目的地 距離
(マイル)
移動
時間
移動
速度
地形 迷子
〈生存〉
視界
ft.
滞在時間
アブサロム A.ケンタウロスの狩場 9 3時間 ×1 戦場 1日目朝
A.ケンタウロスの狩場 B.川渡り 6 1日 ×1/4 密生した森 道なし DC16 2d6×10* 〜2日目朝
B.川渡り 森とコルトス山の堺 6 1日 ×1/4 密生した森 道なし DC16 2d6×10* 〜3日目朝 就寝時にC.クレンシャーの攻撃!
森とコルトス山の堺 コルトス山と霧包みの沼地の堺 36 2日 ×1/2 険しい山岳 道なし DC12 〜5日目朝 就寝時にD.凍った四輪馬車、次の昼にE.英雄の神殿
コルトス山と霧包みの沼地の堺 霧が晴れ足場が悪くなる境 6 1日 ×1/4 沼地+濃霧 道なし DC10 〜6日目朝 道中でF.霧包みの蛭発生
霧が晴れ足場が悪くなる境 沼と平地の境目 6 1日 ×1/4 足場の悪い沼地 道なし DC10 2d8×10 〜7日目朝 道中でG.沼沢の母の丸太
沼と平地の境目 H.埠頭岬 15 5時間 ×1 草地 〜7日目夜
H.埠頭岬 I.エスカダー 24 12時間 海路 8日目

*…〈知覚〉の判定DCは10フィート離れるごとに1ではなく2上昇する。


強行軍:普通に1日歩くというのは、歩行で1日8時間移動することを意味する。昼間のうち、残りの時間には、キャンプを設営したり撤去したり、休息したり食事をしたりする。1日8時間を超える歩行移動を行なうことを強行軍という。8時間を超えて1時間歩くごとに、【耐久力】判定を行なう(DC10+追加1時間ごとに2)。判定に失敗したら1d6ポイントの非致傷ダメージを受ける。強行軍によって1ポイントでも非致傷ダメージを受けたキャラクターは疲労状態になる。この非致傷ダメージを取り除けば、疲労状態からも回復する。自分にむち打ってあまりに無茶な行軍を続け、結果として意識を失ってしまうということもあり得る。

速歩:速歩は1時間、問題なく行なえる。睡眠をはさまずにもう1時間速歩すれば1ポイントの非致傷ダメージを受ける。さらに1時間速歩するごとに、先に受けた2倍のダメージを受ける。速歩によって1ポイントでも非致傷ダメージを受けたキャラクターは疲労状態になる。

疲労状態のキャラクターは疾走や突撃が行なえず、【筋力】と【敏捷力】に−2のペナルティを受ける。この非致傷ダメージを取り除けば、疲労状態からも回復する。

騎乗移動:騎手を乗せた乗騎は“速歩”速度で移動できる。ただしこのとき乗騎が受けるダメージは非致傷ダメージではなく致傷ダメージである。乗騎に強行軍をさせることもできるが、このとき乗騎の【耐久力】判定は自動的に失敗し、これまた致傷ダメージを受ける。長時間の速歩や強行軍によって1ポイントでもダメージを受けた乗騎は疲労状態になる。

迷子

迷子のなり方

狭い視界:あたり一帯の状況のせいで、キャラクターたちの視界が60フィート未満しかない場合、道に迷う可能性がある。霧や雪や激しい雨の中を旅するキャラクターたちは、すぐそばの目印すら見えなくなってしまうことがままある。これと同様、夜に旅するキャラクターたちも、光源の質や月光の明るさ、夜目や暗視の有無によっては、道に迷う可能性がありうる。

移動困難な地形:森林やムア、丘陵、山岳では、キャラクターたちはみな、道や踏み分け道や川などのはっきりわかる通り道や痕跡に沿って旅するのでない限り、道に迷う可能性がある。森林は特に危険である。なにしろ木々に隠れて遠くの目印は見えず、太陽や星も見えにくいので。

道に迷う可能性:道に迷う可能性のある状況では、先頭に立っているキャラクターが〈生存〉判定を行う。失敗すると道に迷う。判定DCは地形、視界の状況、いま旅している土地の地図を持っているかどうかによって異なる。表を参照すること。

旅人たちが1時間の間区域移動や野外移動を行うごとに、道に迷ったかどうかを判定すること。1時間単位で割り切れない余りの時間があったなら、その部分についても1回判定を行う。一行が一緒になって行動している場合、先頭に立っているキャラクターのみが判定を行う。

迷った後

道に迷うとどんな影響があるか:パーティーが道に迷った場合、彼らはもはや本来目指していた方向に進めるとは限らないパーティーが実際はどちらの方角に移動しているかをランダムに決定すること。見間違いようのない目印に行き当たるか、あるいは道に迷ったことに気付いて方向感覚を取り戻すべく努力するまでは、一行の移動はランダムなままである。

道に迷ったことに気付く:ランダムな方向への移動を1時間行うごとに、パーティー内の全キャラクターが〈生存〉判定(DC20、ランダムな方向に1時間旅するごとに−1)を行う。成功すると、自分たちがもはや旅する方角をはっきり把握していないことに気付く。また、特定の状況によって迷ったことに気付く場合もある。

新しい進路を定める:一旦パーティーが道に迷ってしまった後で、正しい進行方向を定めるには、〈生存〉判定(DC15、ランダムな方向に1時間旅するごとに+2)を行う必要がある。これに失敗したキャラクターは、ランダムな方向を“正しい”ものとして旅を再開する。

キャラクターたちが新しい進路を決めて旅しはじめたなら、その進路が正しかろうと間違っていようと、やはり再度道に迷う可能性がある。旅人たちが道に迷う可能性のある状況が続いているなら、1時間旅するごとに前述の処理を行うこと。これにより、パーティーが進路を保持できるか、それとももう一度ランダムに進行しはじめるかがわかる。

「あっちだ」「いやちがうあっちだ」:道に迷った後では、正しい方向はどっちなのかを、複数のキャラクターが突き止めようとする可能性がある。その場合、GMは各キャラクターの〈生存〉判定をひそかに行い、判定に成功したキャラクターに正しい進路を、失敗したキャラクターに正しいと思い込んでいるランダムな進路を教えるべきである。

正しい状況判断を取り戻す:道に迷ったあとで、正しい進路を発見するには複数の方法がある。1、キャラクターたちが新しい進路を定め、かつそれが正しく、かつその進路を辿って本来の目的地に首尾よく到達したなら、彼らはもはや道に迷っていない。2、キャラクターたちが、ランダムな移動の結果、見間違いようのない目印に行き当たることもありうる。3、霧が晴れる、日が昇るなど、状況が突然改善されたなら、道に迷っていたキャラクターたちは新しい進路を定める試みを行える。手順は上記の通りだが、この場合は〈生存〉判定に+4のボーナスがつく。

沼沢の母の地形効果(推測)
地形 細分 記号 マス比率 効果
下生え 軽度 2割 軽度の下生えで覆われたマスに入る場合、1マス移動するのに2マス分の移動がかかる。また、軽度の下生えは視認困難を提供する。軽度の下生えは〈軽業〉と〈隠密〉をDC+2する(木の葉や枝が邪魔になるので)。(機会攻撃は受けない)
重度 灌木のあるマス 2割 重度の下生えのあるマス目に入る場合、1マス移動するのに4マス分の移動がかかる。また、重度の下生えは失敗確率30%(通常の20%ではなく)の視認困難を提供する。重度の下生えは〈軽業〉のDCを+2する。一方重度の下生えは身を隠すにはよいので、〈隠密〉判定には+5の状況ボーナスを提供する。疾走や突撃は不可能。
泥濘 浅い 緑の地面 4割 深い泥やたまり水がたまっており、深さはおよそ1フィート。浅い泥濘のマス目に入る場合、1マス移動するのに2マス分の移動がかかる。〈軽業〉判定のDCが+2される。
深い 緑色の地面の黒い部分 2割 水が4フィートほどもたまっている。
  • サイズ分類が中型以上のクリーチャーは、深い泥濘のマス目に入る場合、1マス移動するのに4マス分の移動がかかる。望むなら泳ぐこともできる。深い泥濘の水はサイズ分類が中型以上のクリーチャーに遮蔽を提供する。サイズ分類が中型以上のクリーチャーも、1回の移動アクションで身をかがめることにより、この良好な遮蔽を得ることができる。
  • この良好な遮蔽を得ているキャラクターは、水中にいないクリーチャーに対する攻撃に−10のペナルティを受ける。
生け垣状の茂み 比較的細い木の倒木 刺の多い灌木や石や土がひとかたまりになったもの。こうした茂みのうち、狭いものは低い壁と同様に機能する。これを越えるには3マス移動するだけの手間がかかる。ただし新しいマス目に入る際にDC10の〈登攀〉判定に成功すれば、そのマスに入るには2マス分の移動でよい。これは実際にはマスを占めず、マス間の格として機能する。
流砂 大きな塚

流砂は一見ごくしっかりした、下生えまたは何もない地形のように見える。そのせいで不注意なキャラクターは往々にして引っかかる。通常の速度で流砂に近づいたキャラクターは、DC8の〈生存〉判定を行い、成功すれば流砂の区域に足を踏み入れる前に危険に気づく。一方、突撃や疾走を行っているキャラクターは、実際に突っ込むまでは隠れていた流砂に気づくことはない。典型的な流砂の区域は直径20フィート。突撃や疾走を行っていたキャラクターは、慣性によって流砂の区域の中を1d2×5フィートぶん進んでしまう。

流砂の中にいるキャラクターは、毎ラウンド、単に今の地点にとどまるだけでもDC10の〈水泳〉判定を行わなければならず、望む方向に移動したいならDC15の〈水泳〉判定を行わなければならない。流砂につかまったキャラクターがこの判定に5以上の差で失敗したなら、地面の下に沈み、息を止めていられなくなった時点で溺れ始める。

流砂の地面の下にいるキャラクターは、〈水泳〉判定(DC15、加えて1ラウンド連続で地面の下にいるごとに+1)に成功すれば地表まで戻ってくることができる。

救助:流砂につかまったキャラクターを引き上げるのは困難な仕事になる可能性がある。助ける者には木の枝、槍の柄、ロープ等、その一方の端が流砂の犠牲者に届くような道具が要る。道具の端が犠牲者に届いたなら、助ける者は犠牲者を無事に引き上げるためにDC15の【筋力】判定を行い、犠牲者は道具にしっかり捕まっているためにDC10の【筋力】判定を行う。両方の判定が成功したなら、犠牲者は安全圏に5フィートだけ近くなる。犠牲者は、しっかりつかまっていられなかったら、即座にDC15の〈水泳〉判定を行い、失敗すると地面の下に沈んでしまう。

森林、丘陵、湿地、山岳、平原、暑熱な気候帯の水界を含む温暖な気候の天候の冬以外
風力 風速
(mile/h)
遠隔
通常
兵器
釘付け 吹き飛
ばされる
〈飛行〉 〈知覚〉 消す火(50%) 消す火(100%) 名称 d% 持続時間 備考
微風 0〜10 通常 01〜70 華氏40〜60度
71〜75 気温が華氏10度上がる
76〜80 気温が華氏10度下がる
81〜83 2d4時間 霧は5フィートを超える全ての視界(暗視を含む)を妨げる。5フィート先のクリーチャーには視界困難を得る。
−4聴覚のみ ひょう 90 1d20分しか持続しないが、1d4時間の雨を伴う 時として(5%の確率で)、屋外にいる者全員に(1回の嵐につき)1ポイントのダメージを与えるほどの大粒のひょうが降ってくることもある。ひょうに覆われたマス目に入る場合、1マスあたり2マス分の移動がかかる。
−4 −4、視認距離×1/2 覆われた 覆われていない火 84〜89 2d4時間 精神集中DC5+呪文レベル
強風 31〜50 小型 超小型 −4 −4、視認距離×1/4 雷雨 91〜99 2d4−1時間 降雨ひょう。稲妻も伴っており、これはしかるべき隠れ場にいない者(なかんずく、金属製の鎧を着用している者)には危険となる可能性がある。大まかなルールとして、嵐の中心付近にいる1時間の間、1分間に1回の落雷があるとみなすこと。1回の落雷は4d8〜10d8ポイントの[電気]ダメージを与える。
暴風 51〜74 不可 中型 小型 −8 −8、盲目 覆われた(75%) 覆われていない火、枝 通常 100 1d6時間 ほとんど、あるいは全く降水を伴わない。